活きのいいゾンビになりたい
全てが不安で、つねに倦怠感に苛まれ、自分で決定するのはひどく重労働で、楽しめることはごくわずかで。なぜ生きているのか分からなくなる。消えてしまえればどんなに楽だろうか。
しかし消えられない理由もいくつかあって、だから今日も死に損なっている。こんなのを生きていると呼んでは生に失礼というものである。せいぜいゾンビがいいところだ。
ゾンビだからまともな生者に囲まれるとひどく疲弊してしまう。1時間そうしていただけで、丸2日寝込む羽目になった。嫌になる。
ゾンビだが一丁前に腹が減る。減るがしかし、決定する力はないから何を食うかを決められない。倦怠感ゆえに、食べるための準備すら億劫である。
いつか人間に戻れることを夢に見るが、一度腐ったものは二度と新鮮には戻らないように、せいぜい活きのいいゾンビになるくらいが関の山だろう。それでも構わないと思う。今の虚無じみた生活に少しでも実のあるものが増えるのなら、それで。
昔は楽しめていたゲームのほとんどが、砂を噛むような体験になること、唯一の特技と呼べるお絵描きすらままならないこと、それがどうにも耐え難い。私が私ではないような心地がする。
そう、私は私に戻りたいのだ。こんなのは私ではないと、そう思っている。しかし、これもまた私であるからには、新たな私として受け入れる他ないのだろう。過去には戻れないのだから。
ならば、今の私が辛うじて出来ること、つまり本を読むことと、こうして文章を書き連ねること。これを新たな楽しみとするのが、今の私に与えられた課題なのだろうな。