夢日記
夢を見た。夢の中で私は、ある者に異常に嫌われており、私の発言に逐一嫌味を言ってきた。私は素直に受け答えをしたり、逆に慇懃無礼な返しをしたりしていた。友だと思っていた者からも嫌われ、敬語で話すようになる。
ある者は、そのうち物理的に嫌がらせをしてくるようになる。しかし私はのらりくらりと過ごすばかり。業を煮やしたある者は、「なぜそんなに受け身なんだ」と私に訊ねる。私は、「それしか世界との関わり方を知らないから」と答える。「幼少の頃からそうだった」と付け加えた。それを聞いて相手は、子供の頃からそうなのか、と言い、その後に何か続けていた気がするが、忘れてしまった。
目を覚ました私は、なんだか小説みたいなやり取りだな、と感じた。
最初は別人のことだな、と思った。しかし、よくよく考えていくうちに、やはり私自身のことではないか、と思えてきた。遊びの約束は必ず相手からのものだったし、話しかけられてから話し始めていた。それを受け身と言わずしてなんと言おうか。そう、まさに、それしか世界との関わり方を知らないのだ。
嫌がらせをされても、私はかすかな怒りと悲しみしか感じていなかった。それはきっと現実でもそうなんじゃないか、と思える。私の中には激情というものがほとんどない。不安だけは別だが。
私は私の周りの世界に対して、ほとんど期待していない。こうあるべきだ、とも思っていない。だから、強く怒ることも、悲しむこともない。いや、昔は深く悲しんだことがある。しかし、なぜあんなにも泣いていたのか、きっとその時の私は理解していなかったことだろう。