不安と孤独

 実家に顔を出した。バイト先に出す書類を揃える。
 昨日の夕飯は母お手製のピザだった。
 今日は行きつけのパンケーキ屋さんに行き、季節限定の桃のパンケーキに舌鼓を打つ。

 何かを話したくてたまらない気分なのだが、これといってとくに語るべき事件など無い。語りかける相手も居ない。だからとりあえず文字にして虚空に(あるいは画面に)話しかけてみる。おおい、君、今どんな気分だい。私はもう、暑いのは懲り懲りだと思っているところだよ。

 ここ数日、言い知れぬ不安に襲われている。いや、襲われると言うと強すぎる。包まれているとか、横に佇んでいるとか、そういう言葉のほうが近い。不安も孤独感も常に側に居るものであり、それらを感じず安寧に浸っている瞬間というのは、目を瞑っているのと同じことのように思う。だからと言って、目を開いている奴が偉いとか、逆に馬鹿だとか、そんなことはないのだが。
 不安や孤独感は、まあどちらに分類するかと言われれば不快ではあるけれども、嫌いじゃない。むしろ必要だとさえ思う。
 他者とのごく小さな衝突や軋轢、自己の内部での細々としたこと、それらが何かを生み出す源だと思っている。私は昔から何かを作っていないと落ち着かない性分だ。登下校はひとりなので、その間は空想世界を作る。休み時間は棒人間の漫画と細かい迷路を書く。不登校になってからは、ひたすらイラストを描いた。そして今は、こうして日記を書いたり、小説を書いたりしている。
 不安や孤独を感じないときというのは、何かを見逃しているのではないか、という気持ちになる。