私とMIU404、それから日常

 布団から出られない。
 寒いからではなく、なんというか、気力という気力をむしり取られたような、そんな感じだ。
 やるべきことも、やりたいこともあるのに、体が言うことをきいてくれないのはひどくもどかしい。
 とりあえずBlueskyを開いて、きちんと目を覚ます。それから音楽を流しながらこうして日記を書く。そうするとなんだか急に足に力が入ってきた。今なら布団から出られそうだ。

 上手く行った! これはなかなか良いかもしれない。次も試そう。
 外に出るにはやや微妙な時間だったので、掃除をした。ありえないほど抜け毛が落ちてて、ちょっと気味が悪い。長いからいっぱいあるように見えているだけだろうけれど。
 それから、日向ぼっこをしながら文字を書いた。小説、というとなんだか高尚な感じがして気後れしてしまうので、私は、文字を書くと言っている。
 日差しが隠れると急に寒くなった。ストーブを焚こうか迷っているうちに、また日が差し込んでくる。それを繰り返す。

 バス停に着いたら、倒れている人が居た。
 救護は既に行われており、私は静かに心配することしかできなかった。もし私が近くにいたならば、同じように動けるだろうか。自信がない。
 大学に行って作業をし、帰ろうかと外に出たら、雪がもさもさ降っていた。発泡スチロールみたいな雪だった。

 バスに物のように詰め込まれながら、MIU404のことを考える。
 エンタメとしてのMIU404のことは愛している。伊吹のことも志摩のことも大好きだ。陣場さんの言った、できなかったことよりも、できたことを数えろ、という台詞は人生の指針のひとつにさえなっている。
 だが、私にMIU404が間に合ったかというと、間に合わなかったな、という気持ちになる。
 私の気持ちは、考えは、ないがしろにされて、透明にされてしまった。もう終わってしまった以上、どうすることもできない。ただ私の体に絶望の二文字が染み込んで、それでおしまい。
 あの時の私が言う。そんな夢を見せないでくれ、だって現実では結局助けてくれなかったじゃないか!
 それでも、こんな世の中にも面白いものを見せてくれる人がいる、と思わせてくれたことは、ある種の救いでもあったなと思うのだ。

 帰ってきてから、やっぱりへとへとになって横になった。
 鬱の間引きこもっていた代償が今やってきた、ということだろうか。
 2時間ほど寝てるんだか起きてるんだか分からない状態で過ごし、やっと動く気になったので、しゅうまいを食べた。本格的なしゅうまいより、安いもののほうが舌に合う。
 それからキャベツをシャクシャクと頬張り、夕飯を終えた。
 ここ数日は風呂に入る気になれなかったので体を拭く程度で済ませていたが、今日はやる気になったので、とりあえず浴室を温めておく。これからシャワーを浴びるつもりだ。