フェティシズム

 iPadの電源をつける。
 ペンを握る。
 久しぶりに絵を描こうとしたが、碌なラフが現れなかった。
 論理ではなく感覚と衝動にまかせて描いていたから、それがなくなってしまうと、途端に何も描けなくなってしまう。模写とかしたらいいのかな。
 けど、私がやりたいのって自己表現だから、模写したところで何って話になっちゃうというか。まあ上手くなるに越したことはない気もするが。

 起きて4時間程だが、既にへとへとで横になっている。これだから鬱は困る。実家に居るときはこんなにへとへとにはならないんだけどな。
 横になっていると、眠気がやってくる。それに抗う気もないので、そのままうとうとする。

 音楽を流す。
 歌詞に、制服という言葉が現れる。
 私は制服のビジュアルが好きだ。端的に言うと、興奮する。そういうフェティシズムがある。
 制服は禁欲の象徴だと思っている。だからこそエロい。ルールを破るときに生まれる快感のように、禁欲を犯すのが良いのだ。体のラインが出ないのも良い。性別が曖昧になる感じが心地よい。
 だが、制服の持つ概念はあまり好きではない。ひとを画一的に扱うのは、生き物として見ていないように感じられる。その点、二次元は元から生き物ではないから違和感を感じないのだろう。
 そもそも私がアセクだから、三次元の人間に興奮しないというのもある。だから、在るのはフェティシズムだけなのだ。
 フェチといえば、ロングヘアフェチでもある。理由は分からないのだが、髪が長いという一点だけで、好きだ……となる。これは三次元でも同じことなのだが、髪を切ってしまうと途端に興味が失せてしまう。
 だから、私の創作キャラはロングヘアの子が圧倒的に多い。趣味が分かりやすい。