登校、ラインがわからない

 久しぶりに学校へ行くために電車に乗る。
 移動時間に本を読めればいいのだが、本を読むのと同じくらい、移りゆく景色を眺めながらぼうっとするのが好きなので、結局本は荷物になってしまう。けれども、それもまた本との思い出の一部になるだろう。
 学校は人が多くて疲れた。いや、正確に言えば、会話が幾重にも重なった騒音を浴びて疲れた、と言うべきか。
 それ以前に、前日は本当にずっと寝ていたので、出る前にシャワーを浴びた時点で既にヘトヘトだった。寝すぎると逆に疲れるらしい。睡眠にも体力は要る。
 丸一日寝て分かったのだが、実家から持ってきたこの枕はだいぶへたってきているらしく、中央に頭を乗せると首が痛くなる。枕として機能していない。買い換えよう。

 ラインの使い方がわからない。正確に言えば、目上のひととのやりとりの仕方がわからない。適切な返事とは? 堅苦しすぎないほうがいいのか? スタンプは使ってもいいのか? なにが正解なんだ? と悩んでいるうちに、既読スルーの形になって、もっと大変なことになる。そもそも既読スルーってなんだ。既読だって立派なアクションじゃないか。それはそれとして返事はしたほうがいい。
 そもそも、交友関係が狭すぎて、ラインは親との連絡くらいでしか使わない。親とはツーカーの仲なので「り」(了解の意)でも構わないが、親以外となると全然分からない。ラインってなんなんだ。いっそビジネスメールのほうが書きやすい。