〝性別〟
私は便宜上ノンバイナリーを名乗っているが、「私がノンバイナリー」というよりは、私の世界認識に男女の区別があまりない、というところのほうが大きく、だから「ホモサピに対する認識がノンバイナリー」としたほうがしっくりくる。
それと同時に、女に括られるのも嫌なので、やはり「私がノンバイナリー」でもあるのかな、とも思う。どっちだよ。
『性別「モナリザ」の君へ』という漫画を五年以上前に少し読んでいたことを思い出し、古本屋で立ち読みした。完結は二年前だった。
うろ覚えでざっくり話すと(以下ネタバレ有り)、人は性別がない状態で生まれ、中学生頃に男女どちらかに決まるという世界で、主人公はどちらにもならないまま高校生になった(これはレアケースらしい)。主人公には女子と男子の友人がひとりずつ居て、そのどちらもが主人公のことが好きだった。なんやかんやあり、性別の決まらないまま成人を迎えた人物が死んでしまったという話を聞き、主人公の身が危ないということを二人(だったか、男子だけだったか)が知ることになる。
最終的には、主人公の性別が決まりました! ※ただし結果は読者には開示されない、といういわゆるオープンエンドで終わった。
連載開始が六年前で、完結が二年前だからこうなったのかな、というのが一番の感想だった。
ノンバイナリーを自認する身としては、どちらに決まってもあなた自身だよ、と言われたとて、私がそうだと思っても社会はそう考えて行動してくれないんですよ、としか言えない。
ただ、この漫画で救われたひとが居るのならば、それは喜ばしいことだと思う。そんなところだ。